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頭じらみをやっつけろ!!|新川崎ふたばクリニック小児科皮膚科|新川崎駅と鹿島田駅から徒歩1分

頭じらみをやっつけろ!!

「頭に何か白いものがあるんですけど、これってフケでしょうか・・・?それとも・・・・。」
 保育園に勤めていた時に聞いたセリフその5くらいでしょうか。(多くはありません。)
 こんな時に可能性があるのは「フケ」か「頭じらみ」です。

 「頭じらみ」は人の髪の毛に寄生して生活します。昆虫ですので、衛生状態には全く関係なく、不潔だから発生するわけではありません。頭じらみがいても学校保健法的には登園禁止にはなりませんし、病気になるなど、私たちの健康に大きな害を与えることもありません。ですが、血を吸われるととても痒くて不愉快なので、速やかに駆除するにこしたことはありません。

 そんなことを考えながら、髪の毛の根本が多くて温かく、湿度が保たれていて卵を産みやすいと言われている耳の後ろや生え際のあたりを注意して観察します。

 白いフケのようなものを毛先の方向に向かって指ですーっと引っ張り・・・取れなければ卵の可能性が高くなります。卵の大きさは直径0.5ミリくらいなので、凄〜く目の良い人であれば丸く見えるかもしれませんが、分かりずらい時はカメラのズームで見ると良いでしょう。虫が苦手な方はびっくりするかもしれませんが、成虫がいれば卵よりも大きく2~3ミリの大きさがあるので見つけるのは簡単です。成虫は羽がなく飛べませんし、足の力も弱いのでジャンプもしません。「頭じらみ」が歩いてこちらの頭に移動してこないように、頭同士が直接くっつかない距離で見て下さい。

 白い物が「頭じらみ」だった場合の保育園の環境対策は、そのままご家庭での対策になります。

①寝る場所を整える。
 「頭じらみ」は頭の血を飲んで生きているので、人間から離れると7〜72時間ほどで餓死します。洗えないベッドパッドの上にはビニールを敷いて中に入らないようにします。落ちた「頭じらみ」を再び頭に戻さないように、ビニールの上のタオルケットやシーツ、枕カバーなどは毎日洗って下さい。一緒に寝ているぬいぐるみなども避難させておきましょう。

ご家族も頭が触れ合う距離では寝ないようにしましょう。因みに人間以外の動物の血は吸わないので、ペットなどを経由してうつることはありません。

②身の回りのものの共有を避ける。
 特に頭に被る帽子やクシ、タオルなどの共有は避けて下さい。洗うまでの間はビニール袋などに入れておくと良いでしょう。

③掃除機をかける。
 ホウキで掃くだけでは不十分です。掃除機を使用して下さい。

④10日間大人の手で髪を洗う。以下の手順で行って下さい。
 ・普通のクシで良くブラッシングします。髪の毛が絡まっているところを徹底的にほぐして下さい。
・付いている卵を壊せるように、とても目が細かいスキグシを使ってブラッシングをします。
・最後に普通にシャンプーして良く洗い流します。

 卵が孵るのに7日ほどかかるので、その間に成虫や幼虫を洗い流し、ブラッシングで卵を全て壊すことができれば駆除成功です。

 「頭じらみ」専用のスミスリンシャンプーには「頭じらみ」の成虫や幼虫に対して神経を麻痺させて殺すフェノトリンという物質が含まれていますが、卵の内部に浸透しないので、スキグシを併用しないと駆除することは出来ません。スミスリンシャンプーは処方箋で出すものではないので、使う時はドラッグストアなどで購入して説明書を良く読んで使用して下さい。

⑤念のためにご家族の頭もチェックする。

 万が一「頭じらみ」がいた場合には同様の手順で駆除しましょう。ご家族の誰かに住み着いたままだと再び数を増やす可能性があります。
 保育園では「頭じらみ」がいた場合は担任の先生が毎日園児さんの頭を見てチェックしてくれていますので、ご家庭で気づいた場合は、保育園や幼稚園などに連絡すると良いでしょう。
 頭じらみは誰でもかかる可能性がありますが、適切な方法で対応すればすぐに解決できます。確定診断が必要な場合は当院でも診断可能ですのでご相談下さい。

 参考:東京都福祉保健局 健康安全部 環境保健衛生課公式サイト

 新川崎ふたばクリニック小児科・皮膚科 看護師 松村

 

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